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終末医療へ関わりたい理由。

「なぜそれをしたいのか?」と問われたとき、

大抵、お利口さんな、もっともらしい答えを考える。

すると、それらは何とも嘘くさくて、私の身体から離れている言葉のように思える。

「しっくりこない」というやつで表現はあっているだろうか。

 

「なぜ終末医療へ関わりたいのか?」

長年たって、やっと理由がわかった。

とてもありがちな理由だ。

祖父の、終末にも葬儀にも立ち会わなかった。

長くないことがわかっていたのに、会いにすら行かなかった。

そして、それを後悔している。

 

時間が経ち、様々な知識を得ながら、経験が積み重ねられていく度に

後悔は大きくなっていく。

手術の傷跡が引きつって痛がっていた。

体重が落ちて、体温も下がって寒がっていた。

ああしてあげれば良かった。こうすれば良かった。

せめて側にいて、話を聴けば良かった。

私はそのとき何をしていた?

 

昔の人らしく口数の少なかった祖父。

驚いたことに、皆にしゃべりかけながら絶命したと聞いた。

 

私は、後悔をしている。

 

しかし、それはあくまで自分自身のエゴに過ぎない

自己都合により自分の失ったものを満たしたいという我が儘な欲求に過ぎない。

しかも、それは満たされることの無い欲求である。

自分勝手な事であり、他人にとってはいい迷惑なのではないか。

「なぜ私があんたのじいさんの代わりにならなければならない?」と。

それでも関わる方法を考え出していくだろう。

私はやっぱりアホだ。そして図々しくて自分勝手だ。

 

 

 

 

 

 

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