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毛細血管と循環と鍼灸

今年は空梅雨だと思っていた。

ところがこの大雨である。大気大荒れで、気分の優れない方も多い。

今朝は、蝉が鳴いていたが、このまま猛暑に突入すれば、かなりダメージを受けるだろう。

被災された方々の衛生環境の状態がとても心配だ。避難所になっている体育館などは暑いだろう…。

ニュースでは、連日、川の氾濫や土砂崩れ、避難状況を報道している。

流木の画像を見ながら、気になることも多々ある。

ニュースキャスターが、氾濫する川のことを「毛細血管のように張り巡らされた支流が…」と言っていたが、そういえば日常的に人体の毛細血管を気にする人はどれくらいいるのだろうか。
気を巡らすために施す鍼灸は、ある意味毛細血管と深い関係があるとも言える。
先日に続き、人間の体、私たちの身体を動かしている「循環」について書く。

私達は、細胞のカタマリなのである。

細胞がその機能を発揮するためには酸素や栄養分が必要であり、それらは血流によって運ばれる。
細胞が活動して生じた炭酸ガスや老廃物は、血流によって除去される。
血液の循環は、心臓と血管系の働きによって行われている。
心臓のポンプ作用によって拍出された血液は、動脈を通って各組織の毛細血管を流れ、静脈を通って心臓へ再び戻っていく。
全身に血液が流れるためには血圧が必要である。(毛細血管においては血圧は低下する。)
心臓は、握りこぶしほどの大きさで、心筋と呼ばれる特殊な横紋筋で構成されている。
心筋は意志によってコントロールすることのできない不随意筋で、自律神経の支配を受ける。
心臓のポンプ作用によって血液は拍出され、血管の中を圧の高い方から低い方へ向かって流れていく。
これを血流といい、血管内に生じる圧を血圧という。
一般的に、体循環系の動脈血圧のことを血圧という。(狭義の血圧)
手首の内側に指を触れると、血管の拍動に触れることができる。(脈拍)
脈拍は、心臓の拍出によって大動脈の血管壁が拡張され、その振動波が動脈壁に沿って末梢まで伝播したものであり、これによって心臓の機能や血圧などの状態について推察ができる。
心臓(左心室)から拍出された血液は、大動脈、動脈、細動脈、毛細血管、細静脈、静脈、大静脈を通り再び心臓(右心房)へ戻る。
毛細血管は血液と組織の間の物質交換を行う。(毛細血管のみ、物質透過性がある。)
栄養物や酸素は、毛細血管から間質液へと透過し、そこから細胞へ取り込まれる。
また、細胞の代謝産物や二酸化炭素は、組織から毛細血管へ移動する。
小さなイオンや水分は、毛細血管壁を自由に通過できるが、血漿タンパクは通過できないため毛細血管内に留まる。
そこで膠質浸透圧が生じ、間質液から毛細血管内へ水分を吸引する。
一方、血圧は水分を毛細血管内から間質液へ押し出す力として働く。
この血圧と膠質浸透圧の圧力の差によって、血液中の水分や水に溶けている小さなイオンなどは毛細血管の動脈側で血圧によって間質液中に押し出され、間質液中に出た水分は、静脈側で膠質浸透圧によって再び毛細血管内に吸引される。
毛細血管内に吸収されなかった一部の間質液は毛細リンパ管に吸収され、リンパ系を通り太い静脈へ合流する。
 

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