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日本鍼灸研究会について その1

わたくしのお世話になっている勉強会の記事があったので紹介する。

【医道の日本 第585号(平成5年5月号)1993年 より転載。】

「わが研究会紹介」<24>日本鍼灸研究会 代表 篠原孝市

筆者の主宰する日本鍼灸研究会は、1988年8月に結成された。

その研究目的は、<現代医学としての鍼灸>とは別の<鍼灸としての鍼灸>を古医学資料に基づき研究し、それを通じて現在の鍼灸臨床に寄与することにある。

現在の鍼灸の研究のあり方は、何等かの意味で現代医学に依拠するもの、古典理論の一部を個人的に応用して体系化したもの、純然たる経験を集積したものなど雑多であるが、筆者等はその基礎を中国、朝鮮、日本の古典文献総体の具体的検討から得られる理論と方法におく。

古い医学文献の研究を行うことから、医学史、文献学、書誌学等と重なる部文も多いが、それらがそれ自体を目的とするのに対して、

筆者等の研究にはもう一つ重要な課題として<現在の鍼灸臨床をどうするか>ということがあり、そこではそれら諸学もまた手段となる。

勿論、今後の鍼灸の展開のためにはそれら諸学が不可欠である。

ちなみに、筆者等はわが国の鍼灸にみられる<学か術か>といった二項対立的な設定が何かであった時代は終わったと考える。

 

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