「いい子」って誰のため?
一昨年、中学生の姪っ子を2ヶ月ほど預かった経験がある。
結果は惨憺たるものだったが、なんとなくわかった事もある。
「良い子」って「大人にとって都合の良い子」だ、と。
大人のペースを邪魔しない。
大人の言う事を聞いてくれる。
「当たり前」と言われているような事をやってくれる。
こちらの思うように行動してくれる。
等々の事をやってくれることが、「良い子」だったのかな、と後になって思った。
これは他のことにも言えるなとも思った。
個人主義とか言うようになって、自由と我儘が同一化しているかのような。
中国医学では、物事を陰陽・五行に当てはめて考える。
治療においては、五蔵の消耗から起こるアンバランスさが身体に与えている影響を、診断し調整する。
大きな変化ではなく、少しずつ変わることを良しとし、そのために定期的に様子を観察しながら治療を続ける。
五蔵の消耗を起こすのは、気の滞りである。気の滞りは、「冷え」「ストレス」「過労」「加齢」などから起こる。
最も消耗させているのは、家族や職場といった、なかなか変更させることの出来ない身近な人間関係。
じわじわと、気がつかないうちに自分がすり減っている。
とはいえ、そもそも、生まれた時から死に向かうのが人間。生殖能力が備わった段階から、下降曲線にあり、何もしなくても消耗していく存在でもある。
とりあえず、疲れるほど「いい子」にならなくてもいいと思う。