熊本の報告③~5/1東区(2)~親身になる詐欺~
テレビやPC等のディスプレイを通してみていた被災地と呼ばれる場所は、どこか遠い別世界の事のように思えるものだ。
しかし、目の前の段ボールで区切られた空間と、そのスペースで過ごす方々は現実そのものだ。
マイクをお借りして、体育館内の方々に対し、体育館横のテントで鍼灸・マッサージを実施しているとアナウンスする。
暑い午後の体育館。ステージ上に積まれた支援物資。沢山のコンセント。地震の発生から2週間強。亜急性期から慢性期に移行しつつあるその空間には気怠さが漂っていた。
体育館を出たところで、段ボールを抱えた一人の男性に話かけられた。
暫くその方の知人のお話をなさった後に、避難所に訪れたあるボランティアの方の事を仰った。
震災直後、避難所に1週間ほどボランティアの女性の方がみえた。被災された方に対し、とても親身になってくれていたそうだ。
しかし、おかしな事があった。保険証や免許証を見せるようにと促したそうだ。
「こんなことっておかしいでしょう?男が二人ついていたんですよ。個人情報をとって持って行ったんですよ。」
男性はそう仰った。