救急車がくるまでに
先日、応急手当普及員の資格更新の為に、救命講習を受講してきた。
その日は50名弱の方が受講に見えていた。どこかの施設のヘルパーさんだったり、警備員さん、どこかの現場の作業員さんなどなど。
昔、同級生の弟の事故現場に遭遇したり、短期間勤務したリゾートホテルで、朝食の部屋出しに伺ったら宿泊客が自殺未遂していた、という経験があった。一番最近だと、大分駅のホームで、DSを持った30代後半くらいの男性がてんかん様の症状を起こして倒れた所に遭遇した。
人が倒れていたら、見て見ぬふりは多分出来ないのだと思う。見ないふりをしたら、逆にずっと気になるのではないかと思う。
しかし、よかれと思ってやったことが、もし間違っていたとしたら、それほど恐ろしいことはない。
「悪いと知らずに犯す罪ほど怖いものはない」そんなことを、故・三浦綾子氏が仰っていた映像を思い出す。
さて、大分市の隊員の方の説明では、26年度の出動件数は17,450件。前年より500件増。65歳以上の方の増加が著しいとのことだった。身近な方ほどパニックをよく起こすそうだ。
主に学ぶことは、意識の確認から通報、そして胸骨を圧迫をする「心肺蘇生法」(心臓マッサージ)とAED(自動対外式除細動器)という電気ショックを与える機械の使い方。以前指導をうけた気道確保や人工呼吸の細かいところは省略されていた。
とにかく、心臓を圧迫し続けて、血液を循環させることを優先させる方針に変わってきたのだという。
命ギリギリのところでは、様々な事がシンプルになっていく。そんな感じがした。
実例として、団地住まいの70代のご夫婦の話があった。
二人でテレビを観ていたらおじいさんが突然倒れた。慌てて通報したおばあさん。AEDどころか、心臓マッサージの方法など知らない。
「胸の真ん中を全体重をかけながら押し続けて下さい」という隊員の指示にしたがって押し続けたそうだ。
隊員が到着。除細動器を使用して、おじいさん蘇生。
様々な思いが頭を巡った一例でした。
因みに、実際に心臓マッサージをすると、胸骨と肋骨が外れるので「ボギッッ!!」と凄い音がしますが、骨が折れても躊躇せず続けて下さいとのこと。
あと、きちんと心臓マッサージが出来ている場合、(胸部が圧迫が圧迫されることにより)口から血など吐瀉物が出てくるので、無理に人工呼吸する必要はないとのことでした。
AEDというのは心臓が動いている間しか使えない。平常時で、通報から救急車の到着までが平均7~8分と言われている。