はりとお灸で元気になる。(鍼灸治療が出来ること)
鍼灸治療というと、言葉は聞いたことがあるものの、どんなことをするのかというと、わからないことが多いのではないでしょうか。
そしてよく聞くのは「痛いんでしょ?」「ブスッと深く刺すんでしょ」「熱いでしょ?」「火傷は大丈夫?痕にならない?」…etc…
単純に結論を申し上げれば、(当院の場合であれば)鍼を刺しませんので、痛くはありません。
「刺さない」という事によく驚かれますが、目に見える身体の表面(陽)へ施術する事で、目に見えない(見る事のできない)身体の内部(陰)に保たれている五蔵という気のバランスを整えるので、深く刺す必要がありません。
そもそも東洋医学においては、人間の身体を動かしているのは「気」というエネルギー(運動と変化)であり、このエネルギーの乱れは、身体の表面上に異常な現象として顕れます。
例えば、「痛み」であり、「発熱」であり、あるいは「倦怠感」や「発汗」「嘔吐」などといった自覚症状です。
(とはいえ、自覚症状がない、もしくは気がつかないということもあります。)
では目に見えないもの「五蔵」のバランスが崩れている事をどのように判断するのかというと、蔵象から判断をします。
「蔵象」をひとことで説明すると、「五蔵の状態が表面上に顕れた兆候」、つまり目に見えるものです。
この兆候を正確に把握することにより、あなたの身体の中で起こっている不具合が判断出来るのです。
つまり西洋医学でいうところの「診断」です。
東洋医学では「四診」と言われます。
「四診」とは「望・聞・問・切」の4つの診断方法です。
患者さんの動きを観て(望診)、患者さんの声や話し方(声の出し方)を聴き(聞診)、生活の状況や症状についてお話をうかがい(問診)、そして脈をみて(切診)治療に使用する経絡と経穴(ツボ)が決まります。
「経絡」とは、体の表面を走っているラインで、それは血管や神経とは異なるものです。
「経絡」を道路や線路に例えると、「経穴(ツボ)」は、駅やパーキングエリアとも言えますね。
そうしますと、病の元となる「気滞」や「気鬱」は道路渋滞のようなものなので、あまり良いイメージはわかないのではないでしょうか。
最終的には、この【気】の流れを正常に戻してやることにより、表面上に顕れた不快感を解消してゆきます。
道路の例えで申し上げれば、交通渋滞が解消されスムーズに動けるということになります。
これを「気がめぐる」といいますが、「元気」の語源も「気が元にもどる」という意味なのです。