「正常」と「異常」の間
確定申告を終え、税理士の先生との面談、そして今後の事について話し合った。
税理士の仕事と鍼灸師の仕事は、似ているところがある。
どちらも普段の状態を観察しながら、異常が起こらないかをチェックしている。
何もない時からの備えが大切で、異常が起きてしまった時はもう遅い。
時間もお金もかかる。
税理士さんの場合、異常が起きたという時は、みている会社が倒産ということになるので、顧客と従業員とその家族までが影響を受けることになる。
私たちも、診せていただいているご高齢の患者さんが、なんらかの事で急に介護を要するようになってしまえば、そのご家族の生活パターンは変化せざるを得なくなる。
それがもし、ご家族の中の大黒柱だったとしたら?
従業員の方や、大切なクライアントを抱える経営者だったら?
まだ手のかかる、小さなお子さんを育てていらっしゃるようなお母さんだったら?
誰かが倒れてしまうと、その周りにいる人たちも影響を受ける。
よく「人間は孤独だ」と言う。
たしかに一人で生まれて、一人で死んでいくので、孤独といえば孤独だ。
しかし、本当に孤独というわけでもない。
周囲との関係性の中で、互いに影響しあいながらバランスをとり、生きている。