小笠原文雄医師の講演を聴いて。
日本在宅ホスピス協会会長である、小笠原医師の講演が大分市内で開催された。
誰もがいずれは誰かの終末に関わると思う。私も将来は母を看取るつもりだ。
しかし、現状はどうなのか?
せっかくパイオニアが岐阜県から来てくれているのだ。
これは聴いておかなくては。
多くの患者の実例の話とスライド。
如何に「家」という場所がその人の心に安定感をもたらしてくれるのか。
生と死と、きちんと見つめられる人間になりたいものだと思いながら、
ぽろぽろ涙をこぼしました。
三十路も半ばを過ぎると涙もろくなるようです。
この医師にも、医師がやっておられることにも興味が湧き、しっかり書籍を購入した。
『上野千鶴子が聞く 小笠原先生、ひとりで家で死ねますか?』(朝日新聞出版)
この書籍を香典返しに使われたご家族がいらっしゃるそうだが、良いアイデアだと思った。
この医師は僧侶でもあるようだ。また長い期間の中で後悔や迷いもあったこと、
様々なことが問答形式で書かれており、非常に読みやすく、そして参考になった。
大分市の現状も、やまおか在宅クリニック・山岡憲夫医師によりご講演いただいた。
先日の藻谷氏の講演の一部にもあったが、九州、とくに大分県は医療機関の数が多い。
山岡医師の話では、医療資源は十分にあるが、在宅ケアと病院との連携はまだ不十分だという。
そして今後在宅医療の必要性が増すが、市民に対する在宅医療への啓蒙が浸透していない。とのことである。
先を見越せる人間と、目の前しか見えない人間、後ろばかり見ている人間などなど、人間も様々である。
そういうわたくしはどうだろうか?