鍼灸の現状その4
わたくしは免許を取得した平成12年、32歳の春、
20代のはじめから、ずっとやってきた仕事、
リラクゼーション(業界では、無資格の医療類似行為と呼ばれる。)を、
すっぱり捨てて、「治療」というスタンスで「はり・きゅう」を生業として
生きていくのだと鼻息を荒くしていた。
ところがどっこい
まわりの資格取得者たちが口々に仰ることは
「鍼灸だけじゃ食えないよ。」
なんでやねん?!
3年間、高い学費をかけて(奨学金かりたけど)
まじめに通って、国家試験も受けて
やっとスタートラインに立ったところで
多数の諸先輩方からのお声がけは「食べていけない」と・・・。
はぁ?である。
なんと希望の無いことを、なぜ?新しい人間に言うのか?
どうして、自分の職業に誇りを持っていないのか?
どうして、自分の職業を大切にしていないのか?
「はり・きゅう」という資格を、どのように先人たちが守ってきたのか?
そういうことを知らないのか?
「?」マークたっぷり。
わたくしの原動力のひとつは「腹が立つ」である。
「これは駄目だ」ではなく
「どうすれば良いか」を考えた方が、人生は楽しいではないか。
そして、「鍼灸」が辿ってきた歴史を知れば、
大切にしたくならないだろうか?