その5 再び彷徨う
平成22年1月、弦躋塾へ入会。
その年の夏は東京・有明で開催された「経絡治療学会・夏期大学」へも3日間参加。
経絡治療にはルールがある。
まず五臓(肝・心・脾・肺・腎)のうち、心を除いた4つの陰経の虚証が存在する。
それに対し、『難経』という後漢の時代に成立されたと言われる医学古典文献の69難・68難をベースにして、治療を行う。
初年度の参加の際、最終日に行われる、大講堂での沢山の先生方のデモンストレーションに圧倒された。
しかし一つの理論に基づいて行う治療に対し、これだけバリエーションが広いのは問題があるのでは?という事に翌年の夏は気がついた。
また、弦躋塾で教えていただいている事に、私はプロセスが見いだせず、再び彷徨い始めてしまった。
これは否定をしているわけではない。勉強会を主催するのは大変だ。レジュメの準備だけでも一苦労だ。ずっとお続けになられてきた先生方を素晴らしいと思っている。
だけど、どうして治療がうまくいったかがわからなければ、治療がうまくいかなかった時にどうして良いのかわからなくなる。
結局それでは患者さんも治療家もお互い不幸だ。