その4 羅針盤を決めるのは自分
一応進学したものの、もやもやした感じはおさまる事はなく、
自分がどうしたらよいのかわからない日々。
卒業と同時に動ける体制作りを整えておかなくてはならない。
その為に、私はどうしたらよいのだろうか?
昼間は学校、夜はバイト。30歳目前。独身。頼れる人はいない。
ある日体調を崩してしまい、たまたま鍼灸師科の同級生の祖父にあたる、
別府・千年堂の安部先生のところへ治療を受けに行った。
なんと御年90歳。しかもまだまだ現役。
視覚障がいをお持ちで、若い頃から三療師(按摩・マッサージ師、はり師、きゅう師)として治療を続けて見えていたが、50歳半ばより経絡治療に傾倒。
行き先の決まらぬ広い海に漂う私に、安部先生は仰った。
「あんたの羅針盤はあんたが決めんと。船長さんじゃからな。」
「部分治療がしたいのか?全体治療がしたいのか?全体治療がしたいなら経絡治療。弦躋塾へ行きなさい。」
そして平成22年1月。弦躋塾へ入会した。